<ArayZ 8月号寄稿>活況なミャンマーの二輪車市場

<ArayZ 8月号寄稿>活況なミャンマーの二輪車市場

08.11.2020
コラム
Director 瀧波 栄一郎

バンコクとヤンゴンの違いを一つ挙げるならば、両都市における二輪車の有無である。 ヤンゴン市内ではバイク走行が依然として禁止されているが、ヤンゴンから一歩外に出ると、そこにはバイク社会が広がっている。普及している製品の大部分は、安価な中国製であるが、中には日系ブランドの模倣品も多い。

これら二輪車は、主に中国、タイから輸入されている。中でもタイからの二輪車は、両国最大の国境貿易拠点であるミャワディを経由して陸上輸送によりミャンマーに多く輸入され、ミャワディを経由する輸入品目の中で二輪車並びにその関連部品の規模が第1位(約1億4,500万米ドル程度)である。

近年は消費者の所得上昇やローン制度の普及により、価格が中国製の倍以上であっても、品質、アフターサービスでは絶対的な信頼がある日系メーカーの人気が高まっている。

今後は政府側からの模倣品の取り締まり強化やヤンゴン市内での走行規制緩和といった政治的な動きに対し、日系企業としても政府側への働きかけなどを踏まえることで、自社製品の拡大への追い風となるのではないか。

タイとの国境都市ミャワディ近郊でタイから陸上輸送される二輪車(2020年 筆者撮影)

※本内容は、タイの日本語月刊誌「ArayZ」8月号に掲載されております。リンクはこちらです。

(おわり)

瀧波栄一郎(Director)